堤信之税理士事務所

コラム

2017.03.31

円満に相続するための成年後見制度とは?

成年後見制度とは

成年後見制度とは
成年後見制度とは、認知症、知的障害、精神障害などで判断能力に欠けている人を対象とした法律的に支援、援助するための制度です。
被相続人が認知症などによって物事の判断が困難な場合でも成年後見制度を利用すると被相続人の死後、スムーズに遺産分割を行うことができるでしょう。
高齢社会の日本は、認知症などの判断能力が低下してしまう人の数が増えており、成年後見制度の重要性が高まっています。
成年後見制度には、法定成年後見、任意後見の2つの種類があり、任意の契約で依頼された人、被相続人の親族が後見人として選ばれることが多いでしょう。
しかし、成年後見制度の内容は複雑なためトラブルが起きる場合がありますので、しっかりと成年後見制度について知っておく必要があります。

成年後見制度のトラブル

成年後見制度のトラブル
成年後見人は、本人の権利を守らなくてはいけません。
相続手続きは、本人の代理で遺産分割協議を行い、名義変更などを行う役割を担います。
成年後見制度によって成年後見人となる人のうち、親族になるケースが多いですが親族の中でも最も多いのは被相続人の子供です。
しかし、成年後見人が不正に財産を使い込むなどのトラブルが多く、最初は管理していた財産を自分の財産と区別がつかなくなることから管理がずさんになってしまうことがあります。
このようなトラブルを防ぐために、親族以外の第三者に任せる人が多くなってきています。
不正行為などがみられた場合、成年後見人を解除することができますが、家庭裁判所に成年後見人解任の申し立てをする必要があり、新たな成年後見人を家庭裁判所に選任してもらうことになります。
成年後見制度を慎重に利用しなければ、様々な部分で影響が出てきますので、円満に相続するためにしっかりと成年後見制度について知識を深めておきましょう。
また、成年後見制度は開始まで3ヶ月ほどかかりますが、書類や準備はすぐにできるわけではないため、時間に余裕を持っておくことが必要になります。